世界脳週間2025 - 夏休み高校生理科教室
理化学研究所 脳神経科学研究センター(理研CBS)では、高校生を対象に、最先端の脳科学を体験できる特別イベント「世界脳週間2025 ― 夏休み高校生理科教室」を開催します!
このイベントは、第一線で活躍する研究者による講演や研究室見学を通じて、普段の授業では体験できない脳科学の世界を学べる貴重なチャンスです。「なぜ?」「どうして?」という疑問から、科学の扉が開かれます。ぜひ積極的に質問してみてください。
みなさんの参加を心よりお待ちしています!
- 2025年6月23日
- 「夏休み高校生理科教室」参加受付開始しました!
イベント概要
日時
2025年8月8日(金)13:00~16:00
場所
理化学研究所 和光地区(埼玉県和光市広沢2-1)(アクセス)
対象
高校生の方
現地参加:先着40名(事前登録制)
スケジュール
12:30 - 受付
13:00 - 13:10 開会の挨拶
岡部 繁男 脳神経科学研究センター センター長
13:15 - 14:15 講演
「脳の中を“見る”科学 ーゼブラフィッシュが解き明かす感覚と行動のしくみー」
久保 郁 知覚運動統合機構研究チーム チームディレクター
14:30 - 15:30 研究室見学
- 「全脳回路図を携えて進む新たな脳研究ー「好き」「嫌い」を生み出す神経回路に迫るー」 風間 北斗(知覚神経回路機構研究チーム)
- 「あまのじゃくの科学:他者の視線を意識するこころのはたらきを自然科学で解き明かす」宮本 健太郎(思考・実行機能研究チーム)
- 「『脳の残り半分』グリアとは」 長井 淳(グリア-神経回路動態研究チーム)
- 「はたらく細胞の中ではたらく遺伝子を全部調べる」 髙田 篤(分子精神病理研究チーム)
- 「統計学:データ解析のための数学」 松田 孟留(統計数理連携ユニット)
15:30 - 16:00 展示室(Brain Box)見学、アンケート回答
講演
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「脳の中を“見る”科学 ーゼブラフィッシュが解き明かす感覚と行動のしくみー」
久保 郁(くぼ ふみ)
知覚運動統合機構研究チーム チームディレクター
何かを見たり、聞いたり、判断したり、あるいは体を動かしたり…。そんな時に脳のどこがどう活動しているか、見てみたいと思いませんか?脳が透明な魚類ゼブラフィッシュでは、このような感覚情報処理、意思決定、運動制御に関わる脳内の神経細胞が活動する様子をリアルタイムで観察することができます。私たちの研究室で行なっている、神経活動のイメージング実験やそこから分かってきた情報処理の仕組みについてご紹介します。
予習にお勧めの本、ウェブサイトなど
私の好きなもの
家族と過ごす時間がリラックスになります。研究室の観葉植物や自宅の胡蝶蘭の世話をするのも好きです。
研究室見学
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全脳回路図を携えて進む新たな脳研究ー「好き」「嫌い」を生み出す神経回路に迫るー
風間 北斗(かざま ほくと)
知覚神経回路機構研究チーム チームディレクター
脳には数多の細胞がぎっしりと詰め込まれており、それらがどのように結合しているかを全て調べるのは夢のまた夢でした。しかし近年、ショウジョウバエにおいては、脳内全ての神経細胞同士の配線が明らかになりました。この全脳回路図を手にした今、私たちが「好き」「嫌い」を生み出す神経回路の実体とその動作原理にどのように迫ろうとしているのかをご紹介します。
予習にお勧めの本、ウェブサイトなど
自己PR
CBSマガジンvol.1、日本の研究.comをご覧ください。
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あまのじゃくの科学:他者の視線を意識するこころのはたらきを自然科学で解き明かす
宮本 健太郎(みやもと けんたろう)
思考・実行機能研究チーム チームディレクター
わたしたちは、日常生活の中で、たえず自分や他の人のことを考え、決断をしています。 私たちが自分自身のこころについて思考を巡らせ、他者のこころを想像するときに、脳はどのようなはたらきをしているのでしょうか? 実験参加者さんの協力のもと、これまでに研究室で行ってきた、行動実験や磁気共鳴機能画像法(fMRI)を用いた脳活動計測実験、超音波や磁気を用いた脳刺激実験について紹介し、私たちの行動が、他者の存在によってどのように影響を受けるか、その背景には脳のどのような仕組みがあるのか、議論します。皆さんにも、心理実験を実際に体験してもらい、皆さん自身のこころのメカニズムについても考えるきっかけにして頂けたらと思います。
予習にお勧めの本、ウェブサイトなど
- 市川 眞澄, 虫明 元 「前頭葉のしくみ: からだ・心・社会をつなぐネットワーク (ブレインサイエンス・レクチャー)」
- セミール ゼキ「脳は美をいかに感じるか: ピカソやモネが見た世界」
- コントラリアン生物学ホームページ
自己PR
CBSマガジン vol.4をご覧ください
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「脳の残り半分」グリアとは
長井 淳(ながい じゅん)
グリア-神経回路動態研究チーム チームディレクター
私たちの脳には少なくとも2,000億個の細胞があり、それらが結びついて脳のネットワークを作っています。皆さんがよく知るニューロンは半分以下で、残りの多くを占める「グリア細胞」は長らく脇役と考えられ、研究が100年以上遅れていました。しかし近年、記憶や学習、脳の健康維持に重要な役割を果たしていることが明らかになり、注目を集めています。この講演では、グリア細胞研究の歴史と最前線を紹介し、脳の理解がどのように進んできたのかを探ります。また、グリア細胞の仕組みを知ることで、現在のAIの限界を超え、新たなAI開発につながる可能性についても考えます。脳研究の裏側を知りながら、未来の科学と技術について一緒に考えてみましょう。
予習にお勧めの本、ウェブサイトなど
私の好きなこと
夜寝る前に、つれづれなるままにピアノを弾いています。
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はたらく細胞の中ではたらく遺伝子を全部調べる
髙田 篤(たかた あつし)
分子精神病理研究チーム チームディレクター
私たちの脳にはさまざまな種類の細胞があり、その1つ1つで数万個の遺伝子が働いています。近年の技術発展により、個々の細胞で働いている遺伝子を一気に調べる「シングルセル解析」を行うことができるようになりました。私たちは、シングルセル解析によって産み出される数百万細胞×数万遺伝子の巨大なフィールドを、最先端のAIや統計学を駆使して探検し、統合失調症、うつ病などの精神疾患でどのような変化が起きているのかを明らかにしようとしています。今回は、このシングルセル解析がどんな感じで行われているかを紹介したいと思います。
予習にお勧めの本、ウェブサイトなど
- 分子精神病理研究チームHP・どう学び始めたらよいか
- 研究最前線・ASDの原因をゲノムデータから探る
- CBS Magazine Mar. 2021 Vol.1
- シングルセルRNAシーケンスの自信を築く初心者ガイド
私の好きなこと
漫画をよく読んでいます。
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統計学:データ解析のための数学
松田 孟留(まつだ たける)
統計数理連携ユニット ユニットリーダー
統計学とはデータをもとに現象の理解や予測を行うための方法論であり、データ解析のための数学ともいえます。基礎となるのは、確率分布によってデータ生成過程を表現した「統計モデル」です。今回は、データを読み解く統計モデリングの考え方について実例を交えて紹介します。
予習にお勧めの本、ウェブサイトなど
私の好きなこと
競技かるた(理研チームで団体戦に出ています)
お申し込み
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お問い合わせ
夏休み高校生理科教室 事務局
wbaw25@ml.riken.jp