世界脳週間2024 - 夏休み高校生理科教室


理化学研究所 脳神経科学研究センター(理研CBS)では、高校生を対象に最先端の脳科学研究を体験できる特別なイベント「世界脳週間2024 - 夏休み高校生理科教室」を開催します。

研究者による講演や研究室・展示室の見学を通じて、普段の授業では経験できないことを直接見て学ぶチャンスです!日ごろ疑問に思っていることや、知りたいことなど、どんどん質問してください。みなさんの参加を楽しみに待っています!



イベント概要

日時

2024年8月9日(金)13:00~16:00

場所

理化学研究所 和光地区(埼玉県和光市広沢2-1)アクセス

対象

高校生の方

現地参加:先着40名(事前登録制)

スケジュール

12:30 -     受付

13:00 - 13:10 開会の挨拶
影山 龍一郎 脳神経科学研究センター センター長

13:15 - 14:15 講演
「わたしたち」の脳科学
小池 耕彦 理研CBS-トヨタ連携研究センター 個体間脳ダイナミクス連携ユニット ユニットリーダー

14:30 - 15:30 研究室見学

  • 「記憶と空間認識をつかさどる「海馬」に迫る」 藤澤 茂義(時空間認知神経生理学研究チーム)
  • 「脳の宇宙を捉える2光子顕微鏡」 村山 正宜(触知覚生理学研究チーム)
  • 「リアルとはなんだろうか?」 柴田 和久(人間認知・学習研究チーム)
  • 「脳を数学で表現する〜脳とAIは似てる?違う?〜」 磯村 拓哉(脳型知能理論研究ユニット)
  • 「ハエを用いて脳の仕組みを探る最先端設備の見学」 藤原 輝史(適応運動制御理研白眉研究チーム)
  • 「透明な魚を使って脳の活動を観察しよう」 久保 郁(知覚運動統合機構研究チーム)

15:30 - 16:00 展示室(Brain Box)見学、アンケート回答



講演



研究室見学

  • 藤澤 茂義

    記憶と空間認識をつかさどる「海馬」に迫る
    藤澤 茂義(ふじさわ しげよし)
    時空間認知神経生理学研究チーム チームリーダー

    私たちの脳はすぐれた空間認識能力を持っています。たとえば、自分の街の地図を書いたり、自分や友人がいまその地図のどこにいるのかを指し示したりできます。このような空間認識能力は、脳の海馬という部位がその役割を担っていると考えられています。今回はこの海馬の話を中心に、脳の中で場所の情報が認識される仕組みを、セミナーと実験室見学をまじえながら紹介していきます。


    予習にお勧めの本、ウェブサイトなど


    キーワード
    ニューロン、場所細胞、エピソード記憶

  • 村山 正宜

    脳の宇宙を捉える2光子顕微鏡
    村山 正宜(むらやま まさのり)
    触知覚生理学研究チーム チームリーダー

    脳は宇宙に例えられ、ヒトでは約1000億もの神経細胞が星々のごとく煌めき、無数の相互作用によって知覚、認知、記憶、そして意識が生まれると考えられています。近代天文学の分野では、400年以上前にガリレオが望遠鏡を自作し、宇宙の星々を精密に観測したことから本格的な宇宙の謎解きが始まりました。脳研究においては細胞を小器官レベルまで詳細に観察する事で様々な謎が解明されてきましたが、脳から意識が生み出される仕組みなど、まだまだ謎は残されています。では、更なる謎解きはどのように行えばよいのでしょうか。今回は、その解決法の一つをご紹介いたします。


    予習にお勧めの本、ウェブサイトなど


    キーワード
    カルシウムイメージング、2光子顕微鏡、知覚、意識、大脳新皮質

    自己PR
    昼休みにサッカーをしてます。

  • 柴田 和久

    リアルとはなんだろうか?
    柴田 和久(しばた かずひさ)
    人間認知・学習研究チーム チームリーダー

    リアルとはなんでしょうか?眼の前に広がる世界はまさに「リアル」で、整合が取れていて、一見何の不都合もありません。でも、その「リアル」な世界が実は脳が作ったハリボテに過ぎないとしたら?わたしたちのラボでは、ヒトの脳における無意識の情報処理について調べています。今回の見学では、無意識の情報処理によって脳内で「リアル」が形作られる過程を一緒に体験し、議論したいと思います。


    予習にお勧めの本、ウェブサイトなど


    自己PR
    サッカーやフットサルが好きで、いまも週イチくらいでプレーしています。最近はラップバトルにハマっています。

  • 磯村 拓哉

    脳を数学で表現する〜脳とAIは似てる?違う?〜
    磯村 拓哉(いそむら たくや)
    脳型知能理論研究ユニット ユニットリーダー

    脳を構成する神経細胞は、どのように生物の優れた知能を実現しているのでしょうか?例えば、壁の近くにリンゴがあるとき、私たちはリンゴが壁の形に欠けているとは考えず、リンゴの一部が壁に隠れていると考えます。こうした経験に基づく推論は、変分自由エネルギーと呼ばれるコスト関数を最小化することで計算できます。脳の情報理論「自由エネルギー原理」によると、全ての生物の知覚や学習、行動は、変分自由エネルギーと呼ばれるコスト関数を最小化するように決まるとしています。最近の理論研究において、実はどんな神経回路のダイナミクスも潜在的に自由エネルギー原理に従っているとみなせることが明らかになりました。こうした研究内容をはじめ、脳とAIの関係性についてや、どうやって脳内を計算するのか、脳を表す数式とは何かなどについて質問に答えながら話したいと思います。


    予習にお勧めの本、ウェブサイトなど


    キーワード
    ニューラルネットワーク、学習、推論、予測、人工知能、自由エネルギー原理

    自己PR
    CBSマガジン vol.2をご覧ください

  • 藤原 輝史

    ハエを用いて脳の仕組みを探る最先端設備の見学
    藤原 輝史(ふじわら てるふみ)
    適応運動制御理研白眉研究チーム 理研白眉チームリーダー

    私たちの脳には何百億個という神経細胞があり、その大規模ネットワークで起こる計算を読み解くのは困難です。
    そこで近年注目されているのが、わずか1mmほどのショウジョウバエの脳を用いた研究で、その小さな脳の中に情報処理のエッセンスが詰まっています。今回はハエの脳機能を探る行動実験・神経活動計測装置を紹介します。


    予習にお勧めの本、ウェブサイトなど


    自己PR
    科学と美術が大好きで、最近は顕微鏡の仕組みの勉強にはまっています。経歴はこちらのCBSマガジンをご覧ください。

  • 久保 郁

    透明な魚を使って脳の活動を観察しよう
    久保 郁(くぼ ふみ)
    知覚運動統合機構研究チーム チームリーダー

    何かを見たり、聞いたり、判断したり、あるいは体を動かしたり…。そんな時に脳のどこがどう活動しているか、見てみたいと思いませんか?脳が透明な魚類ゼブラフィッシュでは、脳内の神経細胞が活動する様子をリアルタイムで観察することができます。私たちの研究室で行なっている、神経活動のイメージング実験やそこから分かってきた情報処理の仕組みについてご紹介します。


    予習にお勧めのウェブサイト


    キーワード
    視覚、錯覚、行動、全脳イメージング

    自己PR
    CBSマガジン vol.6をご覧ください

お申し込み

お申し込み受付は終了しました。たくさんのお申し込みありがとうございました。



お問い合わせ

夏休み高校生理科教室 事務局

wbaw24[at]ml.riken.jp