夏休み高校生理科教室 脳の不思議に迫る イベントレポート

2018年8月16日


8月3日(金)、脳神経科学研究センターCBSとしては第一回目となる「世界脳週間2018 夏休み高校生理科教室 脳の不思議に迫る」を開催しました。猛暑にもかかわらず、高校生・中学生51名と引率者を含む計56名と、昨年よりも多くの参加がありました。

午後1時、理化学研究所 脳神経科学研究センター 合田裕紀子 副センター長からの挨拶で開会。みなさん緊張しているせいか、合田先生からの投げかけへのリアクションはちょっと少ないようです。


合田 裕紀子副センター長の写真

合田 裕紀子副センター長より開会の挨拶


続いて基調講演として、豊泉太郎 数理脳科学研究チーム・チームリーダーが「脳が働くしくみを理論的に研究する」と題し、複雑な脳細胞の情報処理の本質を物理や数学の理論をつかって解き明かそうとする試みについて講演しました。講演に熱が入って高校生にはやや難しくなってきたところも、しっかりと理解している参加者もおり、ハイレベルな質問をしていたのには驚かされました。


豊泉 太郎チームリーダーの写真

豊泉 太郎チームリーダーの講演


全体講演の後、参加者はそれぞれ事前に希望した研究分野の異なる6つの研究室に分かれ、研究室見学に向かいました。高校生の訪問を心待ちにして準備してくれた各研究室の若手研究者の案内で、参加者は普段は見ることのできない最先端の研究現場でショウジョウバエやマウスを使った実験や実験機器を見て目を輝かせていました。

ほとんどの参加者が第一希望の見学先を訪問できたこともあり、研究内容についてもよく勉強して参加しているようでした。各研究室10名程度と研究者との距離も近く質問しやすい雰囲気で、高校生からは研究に関すること以外にも進路や研究者としてのキャリアパスについてなど会話が続き、60分を予定していた見学時間はあっという間に過ぎてしまいました。参加者からも研究者からも、時間が足りない! という声が出たほどお互いに有意義であり、高校生にとっては脳科学研究のおもしろさを堪能できた一日となったのではないでしょうか。


研究室見学の様子

なかなか見学する機会のない研究室で最新の研究に触れました


年々、受け入れ側の研究室も参加者からもこのイベントへの期待が大きくなっていることを感じます。来年度はさらに高校生たちが主体的に参加できるような内容に発展させていきたいと考えています。


みんなで記念撮影

猛暑の中ご参加ありがとうございました!みんなで記念撮影


Text by 脳神経科学研究推進室アウトリーチ
Photo credit: CBS