採用情報
2023年3月3日
国立研究開発法人理化学研究所
脳神経科学研究センター
システム分子行動学研究チーム
研究員または特別研究員募集 (W22322)
募集研究室
脳神経科学研究センター システム分子行動学研究チーム (チームリーダー:吉原 良浩)
研究分野
生物学、医科学
キーワード
前障、意識、マウス、嗅覚、行動、ゼブラフィッシュ、神経回路
研究室の概要
前障
意識はどのようにして生じるのか、この謎に対してDNA二重らせん構造の発見者であるフランシス・クリック博士は、彼の生涯最後の論文で「前障が意識の神経基盤である」という興味深い仮説を提唱しました。しかしながら前障は、哺乳類の大脳皮質深部にある薄いシート状の脳領域であり、古典的な解剖学・薬理学・生理学的手法では解析することが困難であったため、その機能はこれまで未解明でした。私たちは最新の神経回路遺伝学的手法を駆使することにより、前障が大脳皮質のニューロンを同期的かつ広汎に静止させることによって、脳の徐波活動を制御することを発見しました。現在、この知見を基にして、大脳皮質大規模ネットワークの切り替え・記憶の固定化・注意の割り当て・意識の生成など、高次脳機能における前障の役割の解明へ向けて、マウスを用いた研究を進めています。また、魚類における前障相同領域の同定に向けた研究も行っています。
【参考論文】Nat. Neurosci. 23: 741-753 (2020)
嗅覚
嗅覚系は物体から発せされる匂い分子を受容し、その情報を鼻から脳へと伝え、匂いのイメージを脳内に創造する神経システムであり、食べ物の探索、危険の感知、繁殖のためのパートナーの認識など、生命活動に重要な役割を果たしています。また嗅覚系は「快・不快」あるいは「好き・嫌い」と表現される情動、さらには「記憶」と密接に関連した感覚システムでもあります。私たちは、神経行動学・遺伝学・発生工学・神経解剖学・神経活動イメージングなど多様な実験手法を駆使できるモデル脊椎動物としてのゼブラフィッシュの利点を最大限に活用し、匂い入力から行動出力へと至る嗅覚神経回路メカニズムの解明へ向けての統合的研究を行っています。
【参考論文】Cell Rep. 22: 1115-1123 (2018), Curr. Biol. 27: 1437-1447 (2017), Nat. Neurosci. 19: 897-904 (2016), Nat. Commun. Doi: 10.1038/ncomms4639 (2014)
詳細については当研究チームホームページ(https://cbs.riken.jp/jp/faculty/y.yoshihara/)のプレスリリース欄をご覧ください。
募集職種、募集人数、職務内容
募集職種・人数
研究員または特別研究員 若干名
原則、博士号取得5年以内の者を特別研究員、5年を超える者を研究員/協力研究員として採用します。
職務内容
以下のいずれかの業務に従事していただきます。
・神経回路遺伝学的手法による前障Claustrumの機能解明:マウスあるいはゼブラフィッシュを用いた研究
・多様な嗅覚行動を司る神経回路素子の同定と機能構築原理の解明:ゼブラフィッシュを用いた研究
応募資格
・博士号取得者(取得見込みも含む)。
・電気生理学、神経行動学、神経活動イメージング、分子生物学、神経解剖学のいずれかに精通しており、研究に主体性・積極性を持って取り組む情熱のある方。
・コミュニケーション能力があり、研究室内外の関係者と連携・協調して業務に従事できる方。
勤務地
事業所名及び住所
理化学研究所 和光地区 (〒351-0198埼玉県和光市広沢2-1)
待遇
- 単年度契約の任期制職員で、評価により採用日から2026年度末(2027/3/31)を上限として再契約可能。
- ただし、能力、契約満了時の業務量、勤務成績、勤務態度、所属しているセンター等若しくは研究室等又は従事しているプロジェクトの存続及び当研究所の経営の状況、予算状況等により、再契約可能期間については変更になる場合もあります。また、原則として65歳を超えての再契約は行いません。
原則として2ヶ月の試用期間有り。
給与は、経験、能力、実績に応じた年俸制で、固定給と変動給により構成されます。変動給額は経験、能力、実績に応じて毎年度決定されます。固定給月額は 2023年4月1日時点で、特別研究員の場合は295,100円、研究員の場合は350,300円となりますが、固定給ならびに変動給は、所内規程の改正によって変更となる場合があります。
裁量労働手当、通勤手当、住居手当の支給有り。社会保険の適用有り。
(採用時の月額給与の目安について)
裁量労働手当を含めた採用時の月額給与は、特別研究員の場合は335,000円、研究員の場合は397,000円以上になります。(経験、能力、実績に応じ変動給加算あり)
理研共済会(互助組織)に要入会。
専門業務型裁量労働制適用で、1日7時間30分就業したものとみなされます。
休日は、土日、祝日、年末年始(12月29日-1月3日)、当研究所設立記念日。
休暇は、年次有給休暇(採用月に応じて最大年20日)、特別有給休暇(看護、介護など)、ワークライフバランス休暇(採用月に応じて最大年7日)など。
その他、産前産後休業、育児休業、介護休業制度等あり。
理化学研究所では、新型コロナウイルス感染拡大防止措置のため、時限的・特例的な対応として、在宅勤務を導入しています。研究所の指示により在宅勤務とすることがあり得ます。また、所属長の許可のもと、在宅勤務を選択することが可能です。
喫煙場所以外では敷地内禁煙。 (2024年4月より敷地内全面禁煙となります)
その他、当研究所規程による。
理化学研究所は、男女共同参画及びダイバーシティ推進に積極的に取り組み、多様性豊かで活気ある研究環境の整備を進めています。公正な評価に基づき能力が同等と認められる場合は、女性を積極的に採用します。
日本学生支援機構奨学金(2003年度までに大学院第一種奨学生に採用されている場合)の返還特別免除の対象、科学研究費補助金の申請資格有り
和光地区内には、託児施設「りけんキッズわこう」を設置しています。詳細については、和光事業所研究支援部人事課(厚生担当)kids [at] riken.jpまでお問い合わせください。
応募方法及び締切日
提出書類
提出書類についてはすべて英語で作成をお願いします。
- 履歴書 WORD(56KB) or EXCEL(159KB) (写真貼付、E-mailアドレスを明記して下さい)(157KB)
*履歴書右上の「公募番号」欄には、公募タイトルに記載されているW22322を記載してください。 - 業績リスト
- 競争的資金の取得状況
- これまでの研究概要
- 志望理由書 (希望する研究テーマ、自己 PR 、今後の抱負。研究の展望等)
- 現職の所属長を含む 推薦者の連絡先1〜3名
(推薦者の名前、所属、職名、電話番号、メールアドレスをご記載ください)
(現職の所属長から推薦書をもらうのが困難な場合は含まずとも可。ただしその場合には理由を記載してください) - EU一般データ保護規則(GDPR)に基づく個人情報の取扱に関する同意書
※欧州経済領域(EEA)に居住されている方のみ、上記の同意書をご提出ください。
EU一般データ保護規則(GDPR)の詳細は、下記をご参照ください。
European Commission(英語サイト)
応募方法
提出書類をPDFファイルで作成し、電子メールで yoshihiro.yoshihara [at] riken.jp に送付してください。
推薦書は、推薦者より直接ご提出いただきます。電子メールでyoshihiro.yoshihara[at]riken.jpに送付してください。
7日以内に受領確認のメール返信がない場合は、応募書類が届いていない可能性がありますので、yoshihiro.yoshihara [at] riken.jpまでご連絡ください。
[at]は@に置き換えてください。
応募書類は返却できませんので予めご了承ください。
締切日
候補者決定次第、締め切り
個人情報の取扱について
提出していただいた書類は、国立研究開発法人理化学研究所個人情報保護規程に則り厳重に管理し、採用審査の用途に限り使用されます。
これらの個人情報は正当な理由なく第三者への開示、譲渡及び貸与することは一切ありません。
選考方法
書類審査後、選考通過者のみ面接を実施します。
着任時期
候補者決定後、できるだけ早い時期
問い合わせ先
脳神経科学研究センター システム分子行動学研究チーム 吉原良浩
Email: yoshihiro.yoshihara [at] riken.jp ※[at]は@に置き換えてください。
お問い合わせはメールでお願い致します。